
2 産業の振興及び観光の開発 本地域は、全国と比較して第1次産業の割合が高く、一方、第2次産業の集積度が低いため雇用の場が少なく、しかも各産業とも労働生産性の低い零細企業が多くを占め所得水準が低く、若者の流出の要因となっている。 このため、農林水産業については、近代化、省力化、特産品の開発、1.5次産業の育成、水産資源の適正利用と培養に努める。 特に、中山間地の農林業経営にあっては、地域の特性を活かした農林業の振興、農林地が持つ国土保全の機能の適切な維持管理に努めるとともに、地区住民の生活環境の整備、グリーンツーリズムの推進など都市との交流拠点の整備等により、引き続き定住可能な地域づくりに努める。 工業については、能登中核工業団地への企業の誘致、地場産業等の振興、「能登・新産業先導地域」構想による環境、健康・福祉分野における先進地域の形成に努める。 商業については、広域的な商圏の形成と地域商店街の活性化に努め、娯楽面レジャー面での刺激の機能を有する施設との連携による商業基盤の整備を図る。 観光の開発については、海外旅行にも表れている「移動は団体行動で、観光は個人行動で」の志向性と、自己の”目的性””テーマ性”を持って知的欲求・自己実現を含めた心身の休養を求める指向性に対応した拠点づくりが求められる。 このため、能登半島国定公園などの豊かな自然環境、遺跡、社寺民家など歴史的施設、博物館、美術館、劇場など文化施設、祭りや特色ある伝統行事、輪島塗などの伝統的工芸品産業などを活用し、滞在型、体験交流型施設の充実に努めるほか、多彩なテーマ別ルートの策定とこれに浴った既存施設のネットワーク化や移動手段及び拠点施設の整備に努める。 また、アウトドアライフに適応した拠点づくりなど、3大都市圏などの都市住民との交流に主眼をおいた開発を進める。 なお、産業と観光の振興を図るうえで、3大都市圏などと直結する航空輸送の果たす役割が大きくなると予測されるため、早急にこのあり方について検討を進める。
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